【マンガ】 四月は君の嘘 第2巻の感想

モーツァルトが空から言ってるよ 旅に出ろって 旅の恥はかきすて おもいっきり恥かこうよ 2人で」

才能豊かで圧倒的な個性を持つヴァイオリニスト宮園かをりからそう言われた元天才ピアニスト有馬公生。幼い頃から母に「譜面の指示通り作曲家の意図通り完璧に弾きなさい」と言われきたので当惑している。

「君は自由そのものだ」「違うよ。音楽が自由なんだよ。さあ旅に出よう」

そうして演奏を始めた2人だが、途中で公生の障害が発生し演奏をぶち壊してしまう。ピアノが演奏をやめ、ヴァイオリンも演奏をやめ、止まってしまった。

「私を見て」

そう語りかけているように見えたかをりの後ろ姿を見て覚悟を決めて再びピアノを弾き出した。両者殴り合いのような演奏。その殴り合いに会場が呑み込まれていく。一時はボロクソに言われていた公生だったが、演奏が終わるとスタンディングオベーションの大盛況だった。

「君は忘れられるの?」

母の死をきっかけにずっとピアノを弾けなくなっていた公生だったが「忘れられるはずがないよ」という想いにたどり着いた。

「私たちはあの瞬間のために生きているんだもん」

自分たちの素晴らしい演奏によって観客が興奮して拍手喝采している瞬間は最高の瞬間だと思う。それがマンガにおいて表現された瞬間というのも非常に感動的で美しかった。